今回の講座は、勉強というより、数にまつあわる楽しいお話です。以前教え子の結婚式に招待されてこの芸を披露し、次の日調子に乗って書いた講座です。教え子カップルのためにも改訂して残しますよ。
これはちょっとした数の遊びなのですが、オトナでも子供でも場を盛り上げるためには最適です。1人だとおもしろくもなんともないから、2人以上で遊んでくださいね!
えぇとね
あなたは下に示すような3枚のカードを用意して、誰かに次の質問をしてください。
「1〜7の整数のうちで、好きな整数を1つだけ思い浮かべてください。」
用意するカード
相手が1つの整数を思い浮かべてくれたら、あなたは用意した3枚のカードを見せて、
「思い浮かべた整数が書いてあるカードはどれですか?」と聞きます。
相手の答えを待ち、あなたは相手の答えたカードの左端に書いてある整数をすべてたしてください。その合計が相手の思い浮かべた整数です!
みなさんはこの数当てゲームの仕組みがわかりますか?
すぐにわかった人はだいぶ鋭い人でしょうね。
じつはこれ、2進法を利用したゲームなんです。2を0乗、1乗、2乗した数はそれぞれ1、2、4ですね。これがカードの左端に書いてある数です。
Aのカードの左端 20=1 ※どんな数でも0乗すると1 くわしくは高校で勉強します
Bのカードの左端 21=2 ※普通、1乗は書きませんが、ここではあえて書きました
Cのカードの左端 22=2×2=4
さて、この1、2、4の一部または全部をたすことによって、1から最大7までの整数を表すことができます。
下の表は1から7までの整数を表すときに1、2、4のどれをたせばよいかを示したものです。たとえば5=1+4だから1と4に○がついています。
表す数→ |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
1 |
○ |
|
○ |
|
○ |
|
○ |
2 |
|
○ |
○ |
|
|
○ |
○ |
4 |
|
|
|
○ |
○ |
○ |
○ |
そしてね さきほどのカードには
Aのカードに1を必要とする1、3、5、7
Bのカードに2を必要とする2、3、6、7
Cのカードに4を必要とする4、5、6、7
がそれぞれ書かれていたのです。
もうタネがおわかりでしょうか。
相手が自分の思い浮かべた整数の書いてあるカードを答えると、それはつまり、その整数を
1、2、4のたし算で表すときに、どれが必要かを答えてくれているのです。
こうやって種明かしをしてしまうと、とても単純なタネですね。
では、せっかくここまで理解してもらいましたから、もう1枚カードを増やして、4枚の場合も考えてみましょう。
4枚の場合は 23=2×2×2=8 ですから、左端に8と書いてあるDのカードが登場します。
用意するカード
新しく23=8を表すDのカードが加わり、さきほどより数当ての範囲が広がります。
「1〜15の整数のうちで、好きな整数を1つだけ思い浮かべてください。」
という問いかけができますね。
そして1から15までの整数を1、2、4、8のたし算で表すとき、
1が必要な整数はAのカードに、2が必要な整数はBのカードに、
4が必要な整数はCのカードに、8が必要な整数はDのカードに書いてあります。
もちろん相手が思い浮かべた番号の書いてあるカードを答えたあと、そのカードの左端の数をたせば、思い浮かべた整数が的中します。3枚でも4枚でも同じ仕組みですね。
3枚の場合は1+2+4=7までの数当て
4枚の場合は1+2+4+8=15までの数当て
もし5枚目がある場合、5枚目の左端は
24=2×2×2×2=16になり、
1+2+4+8+16=31までの数当てができるようになります。
なかなか楽しそうでしょう?
カードが3枚や4枚だと数当ての範囲がせまいから、カードを5、6枚に増やせば数当ての範囲も広がり、誕生会や宴会や結婚式での、ちょっとした出し物として使えると思います。
ボクの教え子は20代で新婦さんだったから、5枚のカードで足りました。新婦さんの年令を的中させて拍手と笑いが取れましたよ。
でもねぇ
これはボクの経験からなのですが、調子に乗って7枚以上はやめた方がいいです。7枚以上になると、カードに書いてある数が大きくなるので、相手が書いてあるカードを正確に答えにくくなるんですよ。あなたが計算間違いをしちゃってもいけないしね。
場をシラけさせないためには失敗しないほうがよい。ボクのオススメは5、6枚ですね。
***
今回は勉強ではなく、数への興味を広げてほしいナと思って、じゃなくて昨日の余韻(よいん)???
ちょっとおしゃれな数のお遊びでした。
テストという感じの講座ではないですが、今回だけテストがないのも変だから、一応問題を作って出しておきますね。
ではこれでお話はおしまい。次の第65講座でまたお目にかかりましょう!
|