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   みんなの算数講座    第70講座    うやむや÷うやむや    真実をつかむ

お星さまと虹今回の講座は、まともにぶつかるとスゴい分数が出てきて苦しくなる
速さの問題を、上手に比を使うことでラクしよう!というテーマです。比の扱いに器用になることはとても大事ですよ。


次の問題を見てください。見た瞬間に数字の悪さを感じてほしいです。

300mのトラックを、Aクンは58秒、Bクンは1分12秒で走ります。
Bクンが先にスタートしてから7秒後にAクンがスタートしました。AクンはBクンにスタート地点から何mのところで追いつきますか?


絶対にいけないとは言えませんが、AクンやBクンの具体的な速さは求めてほしくありません。
なぜなら数字が悪くてスゴい分数になってしまうからです。まぁでも勉強になるから一回ムリヤリやってみましょうか。

やってほしくない考え方/悪いお手本
Aクンの速さ→300m÷58秒=150/29 (m/秒)
Bクンの速さ→300m÷72秒=25/6 (m/秒)

Bクンが先に走った7秒で進む距離は、25/6 (m/秒)×7秒=175/6m…


この距離をAクンが追いかけていくから、1秒あたりに追いつく距離(
)を求め、
÷で追いつくまでの秒数を計算します。
1秒あたりに追いつく距離は
150/29−25/6=900/174−725/174=175/174m…


÷
175/6÷175/174=6/174=29秒…AクンがスタートしてからBクンに追いつくまでの時間

よって、この間にAクンが走った距離は、150/29 (m/秒)×29秒=
150m ←答え

悪いお手本とは書きましたが、解答の流れはまったく普通です。いろいろな塾でこのような解法は教えてもらうでしょうし、もっときれいな数字だったらこれでもよいと思います。

しかし、やっぱり上の問題の数字の悪さを考えると、出題者もいまの解法を意図して作っていないでしょうね。
もちろん数字が悪いから悪い解き方ではないかもしれませんが、さすがに秒速の差を求めるのに、分母が6と29で最小公倍数174。これはちょっと避(さ)けたいでしょう?
いや、その前の段階で二人の速さが秒速150/29mと25/6mになっている時点で、自然に考えて悪いお手本と言えるでしょうね。

それでは↓

やってほしい考え方/良いお手本
AクンとBクンは、一定の距離(300m)を走るのに58秒と72秒だから、その所要時間の比は
58:72=29:36
距離が等しいとき、所要時間の比と速さの比は逆比の関係だから、
二人の速さの比は36:29

いま、二人が1秒間に走る距離(つまり秒速)をそれぞれ
3629と考えると、

Bクンが先に走った7秒で進む距離は、
29×7秒=203

この距離をAクンが追いかけていくとき、1秒あたりに追いつく距離は
36297だから、
203を追いつくためにかかる時間は、203÷7=29秒

Aクンは58秒でトラック1周(300m)するから、その半分の29秒では、
300÷2=
150m走ります ←答え

最後のところで、たまたま29秒が58秒の半分だったので300÷2=150mという近道をしましたが、追いつくまでの秒数さえわかれば、58秒で300mだから、あとは比例式を作って走った距離が計算できるでしょう。
たとえばもし10秒で追いついたなら、その間に走った距離は300m:□m=58秒:10秒 のように求められます。

良いお手本が分数の面倒な計算を避け、整数だけで解答を求めていることがおわかりかと思います。算数に慣れていない人は「二人の秒速をそれぞれ3629と考える」という前提がなかなか持ち出せないようです。
でも持ち出せない人の気持ちも理解できますよ。おそらく
3629という秒速が、〜mとか〜kmといった距離の単位がついている具体的な速さではないからでしょう。
確かに秒速
36、秒速29という速さは、後ろにつける距離の単位をうやむやにしてますね。

しかし、その距離の単位がうやむやな秒速
29を使って算出した7秒分の距離203を、もう一度距離の単位がうやむやな秒速3629の差(7)で割ることで、しっかり29秒という追いつくまでの時間が返ってくる。算数でよく使う比に慣れてくると、このあたりの操作がとても面白いところなのです。

どうかあまり頭でっかちに考えたり悩んだりせず、こうした算数流儀を身につけてほしいと思います。
算数は数学の弟ですが、兄貴が細かくきっちりやるのが好きな几帳面な性格であるのに対し、弟にはそれが正しい答えを出せる方法なら細かいことには目をつぶってとりあえず求めてみようよみたいな大らかな雰囲気があります。
後年数学を経験した人には、けっこうカルチャーショックかも知れませんが、ボクの経験では、頭の柔らかい小学生にはきちんと伝わるそんな大らかな算数がたくさんありますね。
どうぞご父兄や算数ファンのみなさんも、そんな算数の性格を理解してときにはマネしてあげてほしいと思います。
そればっかりじゃ混乱しちゃうでしょうけどね。

今回は算数の内容だけではなく、算数の性格まで説明することができました。
それではまたなるべく早いうちに次の講座でお目にかかりましょう!


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