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   みんなの算数講座    第71講座    区別されるの?    されないの?

お星さまと虹今回の講座では、ボクの教え子(けっこう優秀)が問題の解釈を誤解してしまった
場合の数の問題を取り上げたいと思います。確かにニュアンスは微妙なのですが、みなさんはしっかり解釈できるでしょうか。


教え子が見事に誤解した問題は次の問題です。

リンゴ、みかん、なし、かきが1個ずつあります。
これらを2つのお皿に取り分ける方法は何通りありますか?


どうですか? みなさんは正しく処理することができそうですか?

確かにこの問題、ちょっと不親切です。引っかかった教え子の気持ちもわかります。
それはね 
2つのお皿が区別できるかどうか説明がないことなんです。
その説明がないから、次の@と考えるか、Aと考えるかによって解答が変わってしまいます。

@柄(がら)や大きさの違う2つのお皿があると考える
4つの果物が置かれたキッチンに祐一クンとゆいさんがいて、二人がそれぞれ自分のお皿を持っています。祐一クンはブルーのお皿、ゆいさんはピンクのお皿です。
最初祐一クンが〈
りんごみかん〉を取り、ゆいさんが〈なしかき〉を取った。ところが取り終わったあとで 逆にしようよ という話になり、祐一クンが〈なしかき〉を取り、ゆいさんが〈りんごみかん〉を取った。
この2通りは、お皿の色も持ち主も違いますから明らかに別の取り分け方です。

A何の個性もなく見分けのつかない2つのお皿があると考える
4つの果物が置かれたキッチンにお母さんがいて、まったく見分けのつかない白いお皿2枚に果物を乗せます。片方のお皿にりんごみかん〉を乗せ、もう片方のお皿になしかき〉を乗せた。その後お母さんの気まぐれで、2枚のお皿に乗っている果物をそっくり取りかえたとしても、これはお皿が区別できませんから別の取り分け方にはなりません。

さあ出題者の意図はどっちなのでしょう?

算数の出題者が不親切な文章を書いていることはけっこうよくあります。しかし解答する人は、書かれていないことを自分勝手に決めつけてはいけません。迷ったときは素直に自然に読み取るようにしてください。

ではボクの解釈。出題者の意図を100%完全に読み取ることはできませんが だって他の人ですもの…おそらく99%、出題者の意図はAであったろうと思います。教え子は@と解釈して×になってしまったのですけどね。

問題文には2枚のお皿と書いてあるだけで、そのお皿が区別できるお皿とはどこにも書いてない。えぇ、区別できないとも書いてないけど、書いてないものを@のように男の子と女の子を想像し、お皿の色まで想像し、その想像の中で問題を解いてしまうと、それは
考え過ぎということになってしまうのです。何も書いてないなら、区別できないお皿としておくのが素直で自然な読み取り方です。

ボクがいろいろな問題を見てきた経験でいうと、もし出題者に@の意図があるなら、お皿を区別させる意味で問題文はこうなるでしょう。
「リンゴ、みかん、なし、かきが1個ずつあります。これらをA、B(大、小)2つのお皿に取り分ける方法は何通りありますか?」
これなら@で解釈するのが100%正しいですね。

前置きが長くなりました。それではAの解釈ということで解説です。

りんごをア、みかんをイ、なしをウ、かきをエとすれば、これらを2つのお皿に分けるのは、
〔3個と1個〕に分けるか〔2個と2個〕に分けるのどちらかで、それぞれ次のパターンがあります。

〔3個と1個〕に分ける場合
4個の果物から、片方のお皿に乗せる1個を選ぶと考えます。
1=4(通り) ※n1=n。組合せの計算は第14講座参照
4通りの分け方を具体的に示すと
(ア)と(イウエ) (イ)と(アウエ)
(ウ)と(アイエ) (エ)と(アイウ) です。

〔2個と2個〕に分ける場合
残念ながら2=6(通り)ではありません。
(42)÷2=3(通り)です。
2=6の計算は、4個の果物から片方のお皿に乗せる2個を選ぶ組合せですが、もう片方のお皿も2個なので、〈÷2〉をしないと下表の aとf、bとe、cとd のように同じ取り分け方が重複してしまうのです。

   片方  もう片方  
 a  アイ  ウエ 3通り 
 b  アウ  イエ
 c  アエ  イウ
 d  イウ  アエ  cと同じ分け方
 e  イエ  アウ  bと同じ分け方
 f  ウエ  アイ  aと同じ分け方

以上〔3個と1個〕に分けるパターン、〔2個と2個〕に分けるパターンの合計で、
解答は4+3=
7通りです。

なお、(アイウエ)と(何も乗せない)のように〔4個と0個〕に分ける場合については考えるべきではないでしょう。
なぜなら、問題に「2枚のお皿に果物を取り分ける」とありますから、どちらかのお皿に何も乗せないのは、取り分けたとは言わないからです。
算数は0以上の数を使って考える科目ですが、〈0個乗せる〉という特別なケースについては
素直に自然に除外してください。

***
最後に。
今回の講座で説明した問題のように、算数には国語の文章理解も関わってきます。「算数は自信あるけど国語はちょっと...」という人は国語の勉強もおろそかにしないでくださいね。
もちろんボクら算数関係者も、解答者が誤解しないようななるべくわかりやすい文章を書かなくてはいけませんね。
出題者と解答者はピッチャーとキャッチャーの関係です。どちらが欠けても試合は成立しませんよね。これからもお互いの呼吸を合わせて精進(しょうじん)することにいたしましょう。

ではまた次回の講座で、算数の世界をご案内したいと思います。


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