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   みんなの算数講座    第93講座    仕事算の1は    センスなーい

お星さまと虹前回第92講座を発表したのが去年(2013年)の暮れでしたから、今回の第93講座が今年初めて発表する講座です。今年は通算100講座に向かっていく年になります。みなさん引き続きご愛読をよろしくお願いします。


今回はとても有名な文章題仕事算(しごとざん)を取り上げてみたいと思います。
仕事算では、あるきまった量の仕事が与えられ、その仕事をこなしていくためのワーカー(働く人)が複数登場します。ワーカーが一人ということは少なく、ボクが問題を見てきた経験ではワーカー二人が一番多いです。次に多いのが三人かな。四人、五人、それ以上ということもありますけど、まぁ普通は二人か三人です。

右のイラストではちょっと多めに4人のワーカー君(ABCD)に登場してもらいました。これが仕事算で仕事をこなしていく人たちのイメージです。同じ子?なんて突っ込まないでね。
でも似てるな。
4人に名前をつけてあげたくなるのはやまやまですが、なぜか昔から仕事算のワーカーには太郎、二郎など具体的な名前がついていることは少なく、アルファベット1文字がとても多いんです。この講座でもその文化を踏襲(とうしゅう)して、ワーカーはアルファベット1文字で解説しますね。二人ならAB、三人ならABCが登場です。

さて、仕事の出来(でき)というのは個人によって違いますよね。スピーディーに仕事ができる人もいれば、のろのろと仕事の遅い人もいる。そうした個人ごとの能力の違いを与えられた条件の中で上手に仕事量という数値に直し、主に所要日数、時間数を求めたりする文章題が仕事算です。ではさっそく仕事算を出題してみますよ。

ある仕事を終えるのにAさん一人では12時間、Bさん一人では15時間かかります。
(1)二人でいっしょにこの仕事をすると何時間何分かかりますか?
(2)はじめにAさんが7時間仕事をし、残りをBさんがすると、全体で何時間何分かかりますか?
(3)二人でいっしょにこの仕事を始めましたが、Bさんが途中で休んだので、全体で7時間半かかりました。Bさんが休んだのは何時間何分何秒ですか?


ある仕事というのは味も素っ気ない書き方ですよね。まぁ少しくわしく書けば、
「総量(全体量)の定まったある仕事」という意味です。総量が定まっていることはとても大切ですが、仕事の内容は何でもかまいません。ボクは空き地の草むしりを想定してイラストをつけてみました。

ここで一つ
さんじゅつまん流を了解してもらいたいのですが、仕事算の解法には仕事の総量を1とするという解法がとてもよくあります。有名進学塾のテキストや、有名な参考書でもその方式が圧倒的ですね。数学の本などでは仕事の総量をX(エックス)にしている場合もあります。じつは昔からボクはその1とかXにセンスの悪さしか感じないんです。ボクはよほど特別な理由がない限り、仕事算の仕事の総量を1にはしません。Xに至っては絶対にありえないです(笑)
一行でまとめましょう。

仕事の総量は、問題文に出てくる日数、時間数の最小公倍数がベストです!!!

このようにすることで、1やXを使う解法に比べてスッキリした数値内で仕事算が解けるのは間違いないです!!!
それはみなさんがこれから仕事算を解けば解くほど実感できると思います。1やXを使うと分数オンパレード劇場が始まってしまうんですよ。仕事算を得意分野にしたいなら、ボクの言葉を信じて、仕事算に関しては1やXを忘れてください。1やXはセンスなさすぎですから!

もとい。
上の草むしりイラストの中に
60という数が入れてあります。これは草むしりの仕事全体、つまりこの問題の仕事の総量を60と表したことを意味しています。60の根拠はAの所要時間である12時間とBの所要時間である15時間の最小公倍数ですね。

(1)
Aが
60の仕事を一人で終える時間は12時間だから、
Aの1時間あたりの仕事量は
60÷12時間=
同様に、Bが
60の仕事を一人で終える時間は15時間だから、
Bの1時間あたりの仕事量は
60÷15時間= です。

二人がいっしょに働くときの仕事量は1時間あたり
だから、
二人がいっしょに働いたときの所要時間は

60
÷=60/9時間=20/3時間=6と2/3時間です。
単位を問題の指示に直して、解答は
6時間40分と求められます。

(2)
初めにAが7時間仕事をすると、
×7時間=35の仕事が終わります。
この時点で残っている仕事は
603525です。
この残っている仕事をB一人で終える時間は
25÷=25/4時間=6と1/4時間→単位を直して6時間15分です。

トータルの時間数はAが働いた7時間も加える必要があるから、
解答は7時間+6時間15分=
13時間15分です。

(3)
この設問は
仕事算とつるかめ算のマッチング(融合問題)です。ボクの授業ではつるかめワーキングと呼んでいます。題材が題材だけに、つるかめ算であることに気づいてもらえないことが多いのですが、問題の構造はまさにつるかめ算なのです。
以下、普通のつるかめ算との対比で解説します。普通のつるかめ算の問題は第54講座の問題を再利用します。

第54講座の普通のつるかめ算
ひばりと馬があわせて15匹いて、足の本数の合計は38本でした。
ひばりと馬はそれぞれ何匹いますか?


今回の設問(3)のつるかめ算としての解釈
ABがいっしょに働く時間(ひばり)とAだけが働く時間(馬)があわせて7時間半あって(15匹いて)、働いた仕事の総量(足の本数の合計)60(38本)でした。
ABがいっしょに働く時間(ひばり)Aだけが働く時間(馬)はそれぞれ何時間ありますか?
(何匹いますか?)

いかがでしょう?こうして対比させてみると今回の設問(3)がつるかめ算であることにお気づきになるのではないでしょうか。
ではついでですから解答も普通のつるかめ算(第54講座)の解説を上書きして進めます。必要に応じて第54講座を参照してくださいね。

手順1
すべてをどちらかの時間にしたときに消化される仕事量を求める
すべてがABいっしょに働いた時間だったと考えると
消化仕事量は
×7と1/2時間=67と1/2  ※7時間半=7と1/2時間

手順2
実際の仕事の総量との差を求める
67と1/2
607と1/2多い

手順3
ABいっしょに働いた時間1時間をAだけが働いた時間1時間に変えることで消化仕事量はずつ減るから、消化仕事量を7と1/2減らすために必要な「Aだけが働いた時間」は、

7と1/2
÷15/2÷=15/8時間=1と7/8時間=1時間52.5分=1時間52分30秒
※7/8時間は60倍して52.5分→端数の0.5分は30秒

***

1やXを持ち出さないスッキリ数値の仕事算講座、とりあえず今回はここまでにしましょう。本当はABC3人の仕事算で、欠勤者がいるような問題
(仕事フエフエ算/さんじゅつまん命名)や3人のうち2人ずつが組になる問題(ペアリング仕事算/同)まで扱いたかったのですが、あんまりダラダラ書き続けると講座として読みにくくなってしまうので、フエフエ算やペアリング算については次回第94講座以降でのお楽しみとさせていただきます。ひとまずここまでをしっかり忘れないようにしておいてくださいね。

なお最後にちょこっと補足ですが、仕事算には「人間が仕事をこなすパターン」以外に「機械が仕事をこなすパターン」や「給水管が容器を満たすパターン」もあります。容器パターンには排水管が装備されている場合もあり、その場合は「給水量−排水量=(実)増水量」と考えることになります。1問出しておきましょう。解答と解説も下に書いておきます。

ある水そうに水を満タンにするのに給水管Aだけで入れると4時間かかり、給水管Aから入れながら排水管Bから水を流すと12時間でいっぱいになります。
排水管Bだけを使ってこの水そう満タンの水を流すと、水そうがカラになるまでに何時間かかりますか?


次回第94講座をお楽しみに!

解答 6時間

解説 水そうの満タン量を12とすると、給水管Aの1時間あたりの給水量は12÷4時間=…ア、また給水管Aと排水管Bを両方使ったときの1時間あたりの増水量(給水量−排水量)は12÷12時間=…イ です。アのがイのに減ったのは排水管Bの1時間あたりの排水量がだからです。満タンの水そうをBだけでカラにするには12÷=6時間かかります。


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