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   みんなの算数講座    第97講座    当たり前が       意外に盲点!?

お星さまと虹今回は、ホームページのお客さんからの質問を取り上げる第3弾です。解説を読めば納得してもらえると思いますが、なかなか自力で思いつく内容ではないでしょうね。今回も算数の知恵に感動してもらいましょう。


神奈川県のSさん(中学受験生のお父さん)から寄せられた質問は、下の水色の枠内の問題です。
雑誌に収載されていた問題のようですが、解説がシンプルすぎて読んでもサッパリ…というコメントが書かれていました。ボクの方でていねいに解説を書いてみようと思います。

その前に前回の講座で出題した覆面算がありましたね。まずはそちらの解説を先に行いましょうか。


前回の講座で出した覆面算⇒
同じアルファベットには0〜9のどれか同じ数字、違うアルファベットが同じ数字にはならない、という条件でしたね。



一の位と十の位を考えてみます。
N+N+N(O+O+O)一の位がN(O)になるのは、次のどちらかしかありません。
0+0+0=0 5+5+5=15

N+N+Nが5+5+5の場合、十の位に繰り上がりの「1」が発生します。繰り上がりの「1」を折り込んだ上で、O+O+Oの一の位をOにすることはできないから、
N=0O=5とわかります。

[ひとまずわかった!]
一の位は0+0+0=0、十の位は5+5+5=15で、百の位に繰り上がり「1」が発生です。


ここでちょっと目先を変えて一万の位に注目します。5ケタの整数を3つ加えた合計が5ケタに収まるのは、一万の位の数字(L)が3以下の場合です。4万以上の整数を3つ加えたら、それらの合計は6ケタになってしまいますね。Lの候補は1、2、3です。

EMONの一万の位のLは、計算結果MEONの百の位でも使われています。
ではLを1、2、3に分けて、LEMONの百の位Mを調べてみます。

[L=1]
百の位M+M+Mに十の位からの繰り上がり「1」を折り込んでLを1にすることはできません。以下確認でご覧ください。
1+1+1+1=、2+2+2+1=、3+3+3+1=10、4+4+4+1=13
6+6+6+1=19、7+7+7+1=22、8+8+8+1=25、9+9+9+1=28


[L=2]
百の位M+M+Mに十の位からの繰り上がり「1」を折り込んでLが
になるのは、Mが7のとき(7+7+7+1=22)です。…ア

[L=3]
百の位M+M+Mに十の位からの繰り上がり「1」を折り込んでLが
になるのは、Mが4のとき(4+4+4+1=13)です。…イ

この時点でLとMの組み合わせが
(L=2、M=7)…ア (L=3、M=4)…イ
にしぼられましたが、じつはイの場合はあり得ません。
理由は千の位との関係です。イの場合、百の位からの繰り上がりが「1」になりますが、その繰り上がりを折り込んだ上で、千の位E+E+Eの一の位をEにすることはできないのです。

[さらにわかった!]
L=2M=7が決まりましたね!

残りの
Eは4です。千の位で百の位からの繰り上がり「2」も折り込んで計算すると、4+4+4+2=14となり、さらに一万の位も2+2+2+1=7となってすべての辻つまが合います。
*Eを9と考え、千の位を9+9+9+2=29とすると、ここまではうまくいきますが、一万の位に繰り上がり「2」が発生してしまい、一万の位で辻つまが合わなくなります。

3つの
LEMONは24750でした。
MELONは24750+24750+24750=74250ですね。
正解できた人はどれくらいいたかな?

***
さて講座本題に戻りますよ。お客さんからの質問はこの問題です。


分母と分子をたすと1000になる真分数(分母が分子より大きい分数)は次の499個があります。このうち、約分できない分数(既約分数)は全部で何個ありますか?

499/501、498/502、497/503、………、3/997、2/998、1/999

*分数の通常表示はWEBでは困難です。代替的に 分子/分母 のような分数表記をしています。


まさか499個もある分数を1つ1つ精査できるわけないですから、これは何かの法則を見つけることになるでしょうね。

既約分数とは、分母と分子を同じ整数(1は除く)で割ることができない分数です。たとえば3/5はこれ以上約分できませんね?→3/5は既約分数です
対して3/6は分母と分子が3で割れます。→3/6は既約分数ではありません

「1以外の同じ整数で割れない」「約分できない分母と分子」
このような2数の関係を算数では
互いに素と言います。
*算数の専門用語コーナーにも「既約分数」「互いに素」の説明があります。算数の専門用語コーナーにはトップページ最上部のリンクからお進みください。

今回の問題は、

分母と分子の和が1000
で、なおかつ
分母と分子が互いに素である分数の個数を求めることがテーマです。

いま、求める分数の分母をA、分子を1000−Aとすると、Aと1000−Aが互いに素であればよいのですが、この表現のままでは、そう簡単にAの値を知ることはできないです。このまま進めていくとかなり力づくの作業になってしまうでしょう。

ここで今回の
知恵を発動です。

もしAと1000−Aに1以外の公約数Xがあるとしたら、
その公約数Xは当然1000の約数にもなっているはずです。

だってAがXで割れ、1000−AがXで割れるのに、Aと1000−Aを加えた1000がXで割れないわけないです。
数が大きかったり、抽象的な文字だとわかりにくいかもしれませんね。たとえば15も50も5で割れます。そうしたら15+50の65も5で割れるでしょう?それと同じことです。

逆の言い方をすると、

Aと1000−Aに1以外の公約数がなく互いに素ならば、
Aと1000にも1以外の公約数はなく互いに素です。

Aと1000−Aに(1以外の)公約数がなかったのに、Aと1000に(1以外の)公約数があったら事件です('_')
仮にその公約数をYとすれば、A÷Yや1000÷Yが割り切れる。だとしたら1000−AもYで割り切れてしまいますね。
ここも簡単な例を出してみましょう。
9と16は互いに素ですね? であれば9と25(=9+16)も互いに素ですよ。

再度今回の
知恵を強調します。
Aと1000−Aが互いに素ということは、Aと1000も互いに素なのです。

これで問題の核心が見えてきたのではないでしょうか?
着陸はまもなくです。もう少しがんばって読んでください。

分母のAは501以上999以下の整数です。
その範囲で1000と互いに素である整数の個数を調べればそれが解答です!

1000を素因数分解すると、1000=2×2×2×5×5×5だから、
Aが2の倍数または5の倍数のとき、Aと1000は互いに素になりません。
(=Aが2の倍数でも5の倍数でもなければ、Aと1000は互いに素です)

では次のようなベン図を用いて求める個数を考えてみます。



501から999までの整数の個数は999−501+1=499個です。
*+1忘れずに!

2の倍数の個数は …ベン図/左の輪
999÷2=499あまり1
500÷2=250
499−250=249個 
*この計算については後述

5の倍数の個数は …ベン図/右の輪
999÷5=199あまり4
500÷5=100
199−100=99個

2と5の公倍数(=10の倍数)の個数は …ベン図/輪の重なり
999÷10=99あまり9
500÷10=50
99−50=49個

2の倍数、5の倍数の少なくともどちらかに含まれる個数は …2つの輪の重複しない合計
249+99−49=(249−49)+99=200+99=299個 
*計算の順序を変えた

これらのことから、
求める個数(=501以上999以下の範囲で、2の倍数でも5の倍数でもない整数の個数)は
499−299=
200個と求めることができます。 …ベン図/輪の外側

めでたしめでたし!これが今回の解答でした(^^)

***

今回の解説、理解していただけましたか?

最後に倍数の個数を求める計算をしましたが、
整数□から整数△までに含まれるPの倍数の個数は、
△÷Pの商の整数部分から、(□−1)÷Pの商の整数部分を引き算
して求めます。
*割り算であまりが出た場合は無視して大丈夫です。
*1から☆までのように範囲の始点が1の場合は、☆÷Pの商の整数部分を求めるだけでOKです。


解説では分母をAに設定した関係もあり、分母を主役と考え、501から999の範囲で「2の倍数でも5の倍数でもない整数」を計算しましたが、
分子の1000−Aを主役と考え、1から499の範囲で「2の倍数でも5の倍数でもない整数」を調べても正解を出すことができます。まったく同じ答え(200個)になりますよ。
*上の青字の考え方を抑えてもらえるように、今回はあえて501から999の範囲で調べた意味もあります。

***

ちょっとバタバタしていたのでなかなか講座に手が回らず、今回が2015年の初講座でした。
だいぶお待たせしてしまいましたよね。申し訳なかったです。
しかしいよいよ100講座が目前というところまできましたので、なるべく早いうちにまた次回以降の講座を書きたいと思っています。

今回は冒頭で覆面算の解説もしましたしボリューム十分!雑談はしないで終わりにしますね。
それではみなさん、また次回の第98講座を楽しみに待っていてください。

カムサムニダ!
(今回からお別れのときに、いろいろな国の ありがとう を紹介しようと思います。カムサムニダは日本のお隣さん、韓国の ありがとう です)


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