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   みんなの算数講座    第2講座    約数の総和の    求め方

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これまで以上に読みやすい文体、装飾、見やすい図形を心がけました。
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お星さまと虹
前回の第1講座では約数の個数を求めましたが、今回はそれを応用させて

約数の総和
について考えてみることにしましょう。


約数の総和というのは、約数をすべて合計するといくつになるか? ということです。前回と同じ整数720を使った次の問題で考えてみます。


整数720の約数の総和はいくつですか?

前回勉強したように、整数720には30個の約数がありました。
初めと終わりの方だけを並べてみると
1 2 3 4 5 6 ・・・・・ 360 720

今回のテーマは、これらの総和を求めることだから、
1+2+3+4+5+6+・・・・・+360+720=?????

もっと小さい整数で、すべての約数が簡単にわかるなら、それほど大変ではないでしょう。
たとえば8の約数の総和なら1+2+4+8=15で簡単です。
しかし、720のように大きな整数になると、すべての約数を書き出すことが大変だし、約数の個数が多くなれば、それらをすべて合計する作業も決して楽ではないはずです。

じらすのはやめましょう。
約数の総和も計算式で簡単に求めることができるのです。

ではさっそくそのやり方を説明します。
手順1は前回<第1講座 約数の個数の求め方>とまったく同じですよ。

手順1 約数の総和を求めたい整数を素因数分解します。
    720=(
×××)×(×)×(

手順2 それぞれの素数の個数に応じて、下のような計算を行います。
     メモ
      2は2×2×2のように2を3回かけることを表します。算数の範囲ではありませんが、
      それほど難しい表し方では ないから、この講座では使うことにします。
      また、どんな数でも0乗すると1になります。


    
が4個あるから、2から2までの和を求めます。
    2+2+2+2+2=16+8+4+2+1=31

    
が2個あるから、3から3までの和を求めます。
    3+3+3=9+3+1=13

    
が1個あるから、5から5までの和を求めます。
    5+5=5+1=6

手順3 それらをかけ算します。
    31×13×6=
2418 →これが720の約数の総和です

720の約数は次に挙げた30個ですから、時間がある人は電卓で確かめてみてください。

1 2 3 4 5 6 8 9 10 12 15 16 18 20 24 30 36 
40 45 48 60 72 80 90 120 144 180 240 360 720

合ってました? よかったですねぇ。

この理由については、説明を簡潔にするために、720ではなく、もう少し小さい整数で説明します。
12にしましょう。12を素因数分解すると 2×2×3 になります。
さきほどの式で総和を求めると
(2+2+20)×(3+3
 =(4+2+1)×(3+1)=7×4=28 →12の約数の総和
12の約数は1 2 3 4 6 12だから、簡単に確かめられますね。
1+2+3+4+6+12=28 合ってます!

では理由に入りますが、12の約数をそれぞれ素因数分解すると次のようになります。
(1、2、3は分解できないからそのまま)

 1
 2
 3
 4=2×2
 6=2×3
 12=2×2×3

これらを、3を含むか含まないかの2つのグループに分け、それぞれ加えてみます。

〔3を含むもの〕
2×2×3+2×3+3=(4+2+1)×3
※3=1×3と考え、(  )の外に×3をまとめました

〔3を含まないもの〕
2×2+2+1=(4+2+1)×1
※上とそろえるために(  )の外に×1を書きました

改めてこれら2つのグループを加えると、
(4+2+1)×3+(4+2+1)×1=(4+2+1)×(3+1)=7×4=28

ほら、最初の
説明とまったく同じ式になったでしょう?
ここでは12を例に取りましたが、もっと大きな整数でも、素数の種類が増えても、この理由はいつも同じことです。
約数の総和を計算で求める方法を理解してもらえたかな?

***
第1講座で約数の個数、第2講座で約数の総和を勉強しましたが、これらの内容をもう少し掘り下げた「約数マトリックス」という図形的な楽しい考え方があります。最高に楽しいです。
それについては拙著「やりなおし算数道場(講談社ブルーバックス)」でくわしく解説しましたから、もしよかったらそちらもお読みいただけたらうれしいです。

メモ 「やりなおし算数道場(講談社ブルーバックス)」については、トップページにリンクがございます。


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