今回の講座のテーマは取り違え算です。取り違え算は第52講座の差集め算の一部とされていますが、ボクとしてはひとつ独立した名まえを用意してあげてもいいかなと思っている個性的な文章題です。
取り違え算。
あまりこのネーミングに自信があるわけでもないので、もしこの講座を読み終えたみなさんの中に、かっこいいネーミングを考えた人がいたら、すぐに知らせてくださいね。けっこう影響を受けやすい人なんで、あっさり上書きしてしまうかもしれません。
今のところは取り違え算と呼びましょう。こんな問題です。
1個120円の〈しゃけおにぎり〉と1個160円の〈うなぎおにぎり〉を合わせて20個買うつもりでちょうどピッタリのお金を持っていきましたが、寝不足で疲れていたのか、買う個数を逆にして伝えてしまったため、持っていったお金が240円余ってしまいました。
買う予定だった〈しゃけおにぎり〉と〈うなぎおにぎり〉はそれぞれ何個ですか?
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もしエックス、ワイの連立方程式が使えるならどぅってことないかもしれませんが、いざ算数で考えるとなると、なかなか手がかりがつかみにくいのではないでしょうか。
算数では次のような考え方が有力だと思います。
予定の買い方
しゃけ 120 120 ・・・・・ 120 120
うなぎ 160 160 ・・・・・ 160 160 160・・・160
←240円差→
実際の買い方 240円安くなった!
しゃけ 120 120 ・・・・・ 120 120 120・・・120
うなぎ 160 160 ・・・・・ 160 160
最初に考えておきたいことは、買う個数を取り違えてお金が余ったということは、上の図のように、予定では〈うなぎおにぎり〉を多く買うつもりでいたのに、実際には〈しゃけおにぎり〉を多く買ってしまったということです。
もしこれが逆の間違い方(しゃけを多く買う予定がうなぎを多く買った)であれば、お金は余るのではなく足りなくなってしまうはずですね。
つまり、240円という合計金額の違いは、上の図の茶色の数字のところでは差が生じないから、横に飛び出している部分、すなわち160・・・160と120・・・120の部分で生じたことになります。
再度確認 予定の買い方も実際の買い方も、茶色の数字のところには差がないから、
合計金額の違い(240円)は160・・・160と120・・・120の部分で生じている!
では解答を求めましょう。
160・・・160と120・・・120の部分は同じ個数だから、160と120の1個あたり40円の差が何個か集まって240円の差ができたと考え、
240÷(160−120)=240÷40=6
これが上の図の横に飛び出している部分の個数、つまり〈しゃけおにぎり〉と〈うなぎおにぎり〉を買う個数の差となります。
あとは「合計20個、差が6個」という条件から、簡単な和差算を使って、13個と7個を求めることができるでしょう。最初に書いたように、予定では〈うなぎおにぎり〉が多かったはずだから、解答は〈しゃけおにぎり〉7個 〈うなぎおにぎり〉13個となります。
この問題で気をつけたいことは、
予定ではどちらを多く買って、どちらを少なく買うつもりだったのか?
という判断の部分ですね。
合計金額が【予定<実際】なら安い方を多く買うつもりだったし、【予定>実際】なら高い方を多く買うつもりだったということです。その判断をミスしなければ、あとは大丈夫じゃないかな。
今回は簡単だったですか?
あまり難しい講座ばかりではみなさんがイヤになってしまうでしょうし、あまり簡単な講座ばかりでも退屈する人が増えてしまうでしょう。そのあたり、なるべくバランスを考えながらこれからも書いていきますね。
じゃあ、第34講座はこれでおしまいです。どうぞみなさんお元気で!
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